2025 August
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レトロな街並みが、今、オシャレに生まれ変わる
浜松市南部に位置する「卸商団地」。
かつては繊維を中心とした卸売業者が集まり、商業の一大拠点として栄えていました。
現在でも、約50社の組合員企業と、賃貸で入居する約40社の賛助会員がテナントとして入居し、ビル内の区画はほとんど埋まっている状況です。
しかし、長らくの間、通りを歩く人の姿はまばらで、シャッターを閉めたまま事務所利用されているテナントも多く、かつての活気を思い出すには少し寂しさを覚える時代が続いていました。
老朽化した建物が目立ち、まるで時間が止まってしまったかのような静かな空間になってしまいました。
そんな卸商団地に、約10年前から少しずつ変化の兆しが現れ始めました。
最初はぽつりぽつりと個性的でオシャレな店舗が入居を始め、それが1店舗、また1店舗と、まるで点が線となり、線が面となるように、街の表情に彩りが加わってきたのです。
大がかりなリノベーションで空間を一新したお店から、団地のレトロな雰囲気に絶妙に調和させた店舗まで、そのスタイルは実にさまざま。
いずれもオリジナリティに溢れ、訪れる人の目と心を楽しませてくれます。
■ PAO
空間デザイナーによる複合施設「PAO」では、薪窯で焼き上げる本格ピザや、「包商店」の、素材の味を活かしたナチュラルアイスが楽しめます。店内には、ナチュラルワインショップやセレクトショップも併設されており、まるで小さな街角を歩くような気分が味わえます。どこを見てもお洒落で洗練された空間です。
■ 山下義男商店
三代目が暖簾を継ぐ「山下義男商店」は、「良品質こそ商売の基本」という創業理念を大切に守り続けています。自社ブランド【DIAWOL】では、地元・遠州コットンを使用した高品質のオーダーパンツやエプロンなどを展開。リニューアルしたレトロなロゴデザインが目を引きます。上質な革製品やキャンバス生地を使ったバッグも人気を集めています。
■ バッファロードーナツ
雰囲気のあるビルの2Fにある、金・土限定でオープンするドーナツ専門店です。オープン前から行列ができるほどの人気で、ショーケースには、見た目も楽しい約20種類のドーナツが並びます。可愛いインテリアの店内で、ふわふわモチモチのドーナツがいただけます。イートイン・テイクアウトのどちらも可能です。
■ GSバーガー
アメリカンテイストあふれる看板が目印のハンバーガーショップ。外のテラス席では、喫煙やペット同伴も可能で、気軽に過ごせる開放的な空間です。店内は、レトロなアメリカンダイナーを彷彿とさせるおしゃれな内装。看板メニューはもちろんハンバーガー。その中でも特に人気なのが、さばサンドです。香ばしく焼かれたさばとバンズの相性が絶妙で、リピーター続出の一品です。
■ 遊楽民
古道具屋「遊楽民」は、レトロな品々が所狭しと並ぶ、ノスタルジックな空間。
どこか懐かしく、どこか新しい。宝探しのように掘り出し物と出会える、心ときめくお店です。
■ トランジットコーヒー
自家焙煎のスペシャリティコーヒー専門店。世界各地から厳選された11種のコーヒー豆を、それぞれの豆の特徴を活かした最適な方法で丁寧に焙煎し、さらに数日寝かせて味を落ち着かせた状態で提供してくれます。店内では好きな豆で淹れるハンドドリップコーヒーも楽しめます。イートイン・テイクアウトが可能で、こだわりの詰まった空間です。
■ 玉子屋本舗
養鶏場直送の新鮮な卵を使った洋菓子工場直売店。ロールケーキやプリン、シュークリームなど、素材の良さが際立つスイーツが人気です。特に「マリーゴールドのたまご」を使ったクリームシフォンは、ふわっとした食感と濃厚な風味が絶品です。
■ スケートボードパーク
2019年にオープンした新しいパークですが、平日休日問わず多くの利用者が訪れる、人気のパークです。
倉庫型の建物には1階2階とにスケートエリアが完備され、屋内パークながら充実の環境が整い、初心者から上級者まで幅広く楽しむことができます。
在中スタッフの方も優しく、スケートボードの体験レッスンなどもあるなど初心者の方でも気軽に訪れることができます。
「卸商団地」へのアクセスは、公共交通機関ではやや不便ですが、店舗前の路上駐車が可能で、中心に位置する「アルラ」の大型駐車場も無料で利用できます。
そのため、車での来訪が便利な点も、このエリアの魅力の一つです。
また、年に2回開催される「アリー」というマルシェイベントでは、地元店舗に加え、全国から厳選されたクラフト作家や飲食店が集い、街全体がにぎわいを見せます。来場者にとっても、出店者にとっても特別な機会となっており、今や卸商団地の名物イベントとして定着しています。
そして、長らく地域に愛された「ほんまちホテル」も、令和2年12月に営業を終え、来年にはその解体が予定されています。
団地の中心に位置していたこともあり、その跡地の利活用についても、注目が集まっています。 今、卸商団地では、古き良き風景を残しつつ、新しい価値や感性を加えた“まちづくり”が進行中です。レトロな街並みが、少しずつ丁寧にアップデートされ、訪れるたびに新たな発見があります。
「ここにしかない」魅力に出会える卸商団地。これからどんなお店が誕生し、どんな街に進化していくのか、楽しみです。