2025 August
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家を買うベストタイミングとは?年齢別のメリットと注意点
「ハザードマップの重要性」
地震や台風といった自然災害の多い国、日本。不動産購入を検討する際にも、物件の立地が安全かどうかを事前に確認することがとても大切です。その指標となるのが「ハザードマップ」です。ハザードマップは、災害のリスクが高い地域を示した地図のことで、自治体が作成・公開しています。一般にもかなり認知されはじめていますので、ハザードマップ上にある自宅やオフィスの位置から「ウチは大丈夫かな?」と確認したことのある人も多いのではないでしょうか? ハザードマップを活用すれば、洪水・土砂災害・津波・地震のなどのリスクを把握できるため、安全な物件選びのヒントにつながります。また、情報は常に更新されていますので、最新のリスクを知ることも可能です。そこで今回は、ハザードマップの基本的な内容から災害リスクのある不動産の特徴までを、私、入社11年目の坪井(社内ではなぜか“教授”と呼ばれています)が説明していきます。
ハザードマップには、自然災害が発生した際に住民や自治体が迅速かつ適切に対応できるよう、あらゆる災害リスクに関する情報が掲載されています。
洪水: 河川の氾濫や大雨による浸水リスクが高い地域を示しています。例えば、過去に洪水が発生した地域だったり、河川の氾濫が予測される地域です。また、河川の整備状況や予想される雨量に基づいたリスクが示されることもあります。
土砂災害: 山間部などで発生する土砂崩れや地滑りのリスクが高い場所がわかります。豪雨や地震の後に発生することが多いので、地形や土地の性質を見極めて、地域ごとのリスクを知ることが大切です。
津波: 沿岸部において津波の被害が予測される範囲が表示されます。津波の浸水予想地域や避難経路を確認することができ、事前に避難場所を特定しておくこともできます。
特に津波の高さや到達時間を知っておくことは、迅速に避難を行うために重要です。
地震: 地震の震源地や震度予想範囲、揺れの強さに基づいたリスク評価が示されます。
これにより、特定の地域で発生し得る地震の規模を予測でき、地震による影響を軽減するための準備につながります。
ハザードマップは、市区町村や県などの自治体が作成し、地域ごとに異なるリスクが反映されています。その多くがホームページや防災情報サイトで公開されており、誰でも簡単にアクセスできるのが特徴です。
浜松市では「浜松市防災情報GIS」というサイトを通じて、洪水、土砂災害、津波、地震の震度分布、液状化のリスクなどを確認できますので、ぜひチェックしてみてください 。
→ https://gis1.hbosai.com/bousai/app/index.html
前述の通り、不動産を購入する際に「物件の立地が災害リスクの高い地域であるかどうか?」を確認することはとても重要です。また、不動産業者や売主には、物件のリスク情報を、事前に、正確に提供する責任があります。私も可能な限り、物件に関する予備知識を調べ上げることを徹底しています。「所在地がリスクエリアに該当するか?」「過去に災害が発生したことがあるか?」「自治体の開発規制が適用されているか?」など、様々な視点からの災害リスクを把握し、その詳細な説明を求め、物件購入の判断材料にしてみてください。
特に浜松市では、災害リスクが高い区域に関しては、新規開発を制限する規制が設けられています。例えば、令和5年には「浜松市市街化調整区域における開発区域等を定める条例」が改正され、災害リスクが高い区域に新たに立地することが原則不可となっています。
災害リスクが高い地域の物件は、将来的に資産価値が下がる可能性があります。例えば、洪水や土砂災害の危険が高い地域では、保険料が高額になったり、購入希望者が少なくなったりすることがあります。売却時に困難を伴うこともあるため、購入する前にハザードマップを確認し、将来的な資産価値への影響も理解しておくことが大切です。さらに、災害リスクが高い地域では、災害時に避難が困難になったり、生活インフラに大きな影響が出たりする可能性もあります。物件の価格や立地の良し悪しだけでなく、あらゆるリスクを総合的に考慮し、不動産購入に関する適切な判断をしていきましょう。余談になりますが、私が以前担当した物件で地盤調査を行った結果、地中から土器が発見されたことがありました。当然、そのままでは工事が進められず、想定以上の時間と費用がかかってしまったんです。こういった予測できないケースもありますので、念には念を入れて調べておく、不動産業者や専門家に調査を依頼するといった意識を持っておきましょう。
とはいえ、どんなに災害リスクがあろうとも「それでもこの物件を購入したい」と考える人が一定数いらっしゃいます。そんな時は、以下のような対策を検討することで、災害リスクを最小限に抑えることができます。
•避難経路や避難場所の確認: 災害時にすぐに避難できる場所や経路を確認し、家族と共有しておきましょう。そうすることで、緊急時にも冷静に行動できるようになります。
住宅の強化や改修: 建物の耐震補強や防水対策の強化を検討してみてください。例えば建物であれば、基礎を強化することで、地震はもちろんのこと、土砂崩れや洪水の対策にもつながります。
保険の加入・見直し: 災害リスクが高い地域では、洪水保険や地震保険など、適切な保険に加入することが重要です。これにより、災害が発生した場合の経済的なリスクを軽減することができます。
また近年では、自然災害だけでなく、盛土などによる災害から生命や身体を守るための「宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)」も施行されています。浜松市では、令和7年5月26日に市内全域が盛土規制法の指定区域となり、事前に自治体から許可を得なければ、盛土ができなくなりました。
私個人としましても、日頃から不動産取引に携わる際に、物件に関する事前リサーチをとても重要視しています。災害リスクを事前に知ることは、余計なトラブルの抑止力につながることは間違いありません。また、ハザードマップからわかる災害リスク以外にも、その土地の歴史や地盤の状態、周辺の開発計画など、あらゆる視点から情報を掘り下げていくことも大切です。「もしこの土地や物件を自分の親や兄弟に売るとしたら?」。そんな気持ちでお客様と向き合っていけるよう、これからも、真面目で誠実なお客様対応をしていきたいと思います。また、万が一、トラブルが発生した場合でも、お客様が納得できる解決策を一緒に見つけ出し、最良の結果を導き出すために全力を尽くしていきたいと考えています。不動産は一生の買い物です。だからこそ、災害リスクのみならず、多角的に事前のリスクを確認し、後悔のない不動産購入を叶えていきましょう!