“佐鳴湖の未来”を、私たちの視点「暮らし・住まい・健康」から考える

まずはお互いを知るところから First, let's just get to know one another.
左:不動産営業・藤川未侑(マストレ)
中:ハウジングアドバイザー・伊藤葵(花みずき工房)
右:介護事業部営業・二橋朱里(マストレメディカル)
今回集まった3人は、いずれも浜松市生まれの20代。そして、同じマストレグループに所属しながらも、それぞれ異なる分野で働いているほぼ初対面の関係です。日々、同じ街で過ごし、どこかでつながっているような存在ですが、お互いの仕事については「なんとなく知っている」くらいの距離感。
そんな3人が顔を合わせ、ゆっくりと会話が始まりました。
伊藤:本日はよろしくお願いします。…と、その前に、正直なところを言うと、私、マストレメディカルさんが何をやっている会社なのかちゃんと知らなくて(笑)。
藤川:私もです。名前は知っていますが、「医療関係」っていうイメージくらいしかなくて…。
二橋:逆に私は、お二人のお仕事内容をあまり知りません(笑)。マストレさんは「不動産」、花みずき工房さんは…「木の会社?」みたいな(笑)。
伊藤:間違ってはいないですね(笑)。木はめちゃくちゃ使ってます。
藤川:改めて自己紹介すると、マストレ不動産事業部の藤川です。土地の売買仲介や相続、査定などを担当しています。「売りたい」「買いたい」をつなぐ仕事ですね。土地と建物は密接に関係があるので、花みずき工房さんとは関わることも少なくありません。
伊藤:そうですね。新しく建物をつくるにあたって、土地探しの段階から関わることも多いので、マストレさんとは何かと連携しています。花みずき工房は注文住宅を中心に、お客様の要望に合わせた「ゼロからの家づくり」を行っている会社です。
藤川:ということで、メディカルさん、お願いします(笑)。
二橋:マストレメディカルの二橋です。マストレメディカルでは、医療機器の販売と、福祉用具のレンタルを中心に行っています。私は今年から介護事業部の営業に移って、現場でお客様の課題などに向き合っているところです。
身近なのに、「ちゃんと関われていない場所」 A place that's close by, but I haven't really explored.
ひと通り自己紹介を終え、場の空気も少しずつほぐれてきたところで、今回用意したいくつかのトークテーマを、くじ引きで引いていただきました。テーマに沿いながらも、その場の流れを大切に、会話優先・脱線OKで、それぞれが感じていることを自由に話していただきました。
そして最初のテーマは、佐鳴湖との関わりについて。
伊藤:では、本題に入りますね。今回のテーマは「佐鳴湖との関わり」です。佐鳴湖といえば、浜松を代表する湖のひとつですよね。マストレや花みずき工房のオフィスのすぐ近くにありますし。みなさんはどんな印象を持たれていますか?
二橋:市街地にこれだけ大きな湖があるって、全国的に見ても珍しいですよね。
藤川:そうなんですけど、正直なところ「決め手に欠ける場所」っていう印象もありませんか? 一度ぐるっと回ると、それで満足してしまうというか…。
二橋:イベントもいろいろやってますよね。花火大会とか、ボートの大会とか。ジョギングしている人も多いですし、犬の散歩コースとしてもよく見かけます。
でも改めて考えると、身近な存在ではあるのに、ちゃんと関わっているかというと、そうでもないのかもしれないですね。
伊藤:そうなんですよね。本来、水辺って人が自然と集まる場所だと思うんです。ただ、佐鳴湖の場合は、それを“街の賑わい”にまでつなげきれていないというか…。そこがもったいないなと感じます。
藤川:水辺って、治水とか水質の問題もありますし、民間だけで自由に動かすのは難しい部分もありますよね。
二橋:だからこそ、民間だけじゃなくて行政も含めて一緒に考えていく必要があるんだと思います。ポテンシャルは、まだまだある場所ですよね。
浜松の暮らしは悪くはないけど、何かが足りない Life in Hamamatsu isn't bad, but something is missing.
続いてのトークテーマは、「今の浜松での暮らし」について。
なぜ浜松で働こうと思ったのか、そして実際に暮らしてみてどう感じているのか。それぞれの視点から、日常のリアルや、この街ならではの心地よさについて、ゆっくりと言葉を交わしていきました。
伊藤:藤川さんは、どうして不動産のお仕事を選んだんですか?
藤川:学生時代に心理学を少しかじっていたこともあって、対人関係の構築や人とのコミュニケーションを軸にした仕事を考えていたんです。そんな中で、「意外と不動産って合うんじゃないか」と思って。土地の仲介は、お客様との信頼関係が何より大切ですし、悩みとか愚痴を聞く場面も多い。心理学でいうカウンセリング的な要素がある仕事なんですよね。もちろん、純粋に「地元の街づくりに貢献できたら」という思いもありました。
二橋:すごく面白い視点ですね。伊藤さんはなぜ住宅関係に?
伊藤:きっかけは幼少期の思い出です。幼稚園の年長の頃だったと思いますが、実家を新築したんです。花みずき工房の家と同じように、木造の注文住宅で。その時のなんかワクワクした感覚がずっと残っていて、京都の大学で建築を学びました。建築って、ビルやマンション、橋、店舗など幅広い分野がありますが、その中で住宅を選んだのは、やっぱり「住まう人の思いが色濃く反映される」から。特に注文住宅となれば、お客様の夢や思いを一緒になって叶えていく仕事なので、そこに魅力を感じました。
藤川:二橋さんは?
二橋:私は医療事務の専門学校を卒業して、以前はクリニックで働いていました。医療事務やリハビリ補助を担当していましたね。その後、クリニックを退職したのですが、「医療の分野には関わり続けたい」と思って、それでマストレメディカルに転職しました。
藤川:伊藤さんは学生時代、京都にいらっしゃったとのことですが、浜松で働いてみてどうですか?
伊藤:一度外に出たことで、改めて浜松の良さに気づきました。気候は温暖で、人も穏やか。都会のような混雑もなく、満員電車に乗ることもない(笑)。車さえあれば快適に過ごせる地域ですね。
二橋:私はずっと浜松なので、なかなかそういう感覚がわからないですね。
藤川:都会の大手企業だと転勤もありますよね。その点、マストレグループならずっと地元で働き続けられるという安心感があります。
伊藤:結局、「地元が一番」に落ち着くんですよね。生活もしやすいし、家族や友人との距離も近いですし。
二橋:反対に「浜松のここはちょっと…」というところは?(笑)
伊藤:京都と比べると、飲食店や居酒屋の数はどうしても少ないですね。車社会ということもあって「今日は一杯飲んで帰ろう」みたいなことが気軽にできない…。
藤川:終電も早いですし。
二橋:街中に限らず、おしゃれなカフェとかショップは、もっともっと増えてほしいところですよね。
佐鳴湖が変わると、何が変わる? If Lake Sanaru changes, will anything else change?
伊藤:ところでみなさんは、最近佐鳴湖に行きましたか?
藤川:… 正直、あまり記憶にないですね。会社は近いので前を通ることはありますが。
二橋:私も同じです。行く理由がなかったというか。
伊藤:ですよね。じゃあ、佐鳴湖がどうなったら行きたくなると思いますか?
藤川:私は歩くのが好きなので、お散歩コースとしてもっと魅力があると嬉しいですね。
二橋:自然があるのはいいですよね。一人でも落ち着けそうですし。でも、それに加えてカフェや雑貨屋さんみたいな、“目的”になるものもあるといいなと思います。
伊藤:なるほど。花みずき工房的な視点でいうと、湖の景観を活かした住まいづくりがもっと発展していくと、佐鳴湖の魅力アップにもつながると思います。「佐鳴湖を見るための家」みたいに売り出してみたり。
二橋:いいですね。あと、子どもが遊べる場所が増えると、家族でも来やすくなりそうです。
伊藤:確かに、佐鳴湖公園って遊具が少ないですよね。自然はあるけど、それだけだと子どもには少し物足りないし、「行く理由」にもなりにくい。
藤川:あと、不動産の仕事をしていると、「マストレさんって佐鳴湖の近くですよね」と言われることが多いのですが、同時に、それを魅力として発信しきれていないことに、もどかしさも感じるんです。
二橋:今度マストレ設立50周年記念の一環で佐鳴湖でマルシェイベントを開催するんですよね。そういった取り組みはすごくいいなと思います。地域の方々とのつながりも増えますし、仕事にも良い影響がありそうです。
伊藤:大平台も近くて、住環境としてはすごくいいエリアなんですよね。お店やイベントだけじゃなくて、子育て、健康、暮らし、といった普段の生活に関わる部分でも、いろんな切り口で価値を出せると思います。
藤川:改めて佐鳴湖のポテンシャルは高そうですね。
伊藤:昔は水質の問題で知られていた時期もあったようですが、逆に言えばそこから改善に向かってきた歴史もある。弱みを弱みのままにしてきたわけではなくて、少しずつでも、ちゃんと変わってきた場所なんですよね。
二橋:その視点って、すごく大切だと思います。昔はそういうイメージが先行していたとしても、今は「どう魅力に変えていくか」を考えられる段階にきているということですよね。
藤川:それに、公園内には根川山みたいな「静岡県で一番低い山」もあるんですよね。そういった小さな面白さも、もっともっと発信していくべきだと思います。
二橋:そういうのも含めて、今よりもう少し気軽に立ち寄れる場所になったら、自然と足が向く場所になりそうですよね。
理想の佐鳴湖を勝手に妄想してみる Envisioning my ideal Lake Sanaru.
ここからは、浜松市がより魅力的な街になるために、そして佐鳴湖が、県外からも人が訪れたくなるような素敵な場所になるために。そんな素敵な未来を思い描きながら、3人それぞれに自由な発想でイメージを広げていただきました。
二橋:実現が難しそうなものでもいいですか? 妄想に近くなるかも…(笑)。
藤川:そうですね…。これは比較的現実的な案ですが、ランナーが多いので、公園内に【ランナーズステーション】を作るのはどうですか? シャワーや更衣室、カフェが併設されているような。
二橋:いいですね! サウナとかもあったらもっとうれしいです。女性って特に、運動した後に汗をかいたまま帰るのってちょっと抵抗があるので、そういう設備があるだけで行きやすさが全然違うと思います。
伊藤:単に健康のためにがんばるランニングを、“暮らしをおしゃれに楽しむ習慣”に変えられそうですよね。佐鳴湖を走ること自体が、上質なライフスタイルの一部になるというか。
二橋:あと、ドッグランもいいと思います。ペットを連れてお散歩している人が多いので。
藤川:春は桜もきれいですし、季節の魅力ももっと活かしたいですよね。花見の時期だけ賑わうのではなく、春夏秋冬それぞれに小さな楽しみがある場所になったら素敵です。
伊藤:私は、京都の鴨川みたいなイメージがいいなと思いました。特別な施設がたくさんあるわけじゃなくても、パンとかドリンクとかの軽食を買って、湖のほとりで座って、ぼーっとできる。そういう余白のある賑わいみたいなのもおしゃれだなって。
二橋:いいですね。浜松城公園みたいにスタバができても嬉しいし、もっと和風ならお団子とか抹茶とか。お茶屋さんみたいなのも合いそうです。
藤川:老夫婦が手をつないで歩いている風景とか、すごくいいですよね。前に佐鳴湖公園で、ゆっくりお散歩しているご夫妻を見かけたことがあって「こういう歳の重ね方、いいな」って思ったんです。そういう日常の幸せが似合う場所って、すごく魅力的だと思います。
二橋:そこに音楽があったら、もっといいですよね。フェスとか、ライブとか。確か、佐鳴湖公園内に小さなステージがありましたよね?
伊藤:ありますね。アクセスは悪いですが(苦笑)。でも、音楽とかお笑いとか、マルシェとか、ちょっとしたイベントの積み重ねだけでも、空気はガラリと変わると思います。
藤川:ちょっと考えるだけでも、「人を集める」アイデアはどんどん出てきますね。それだけ、まだ手を付けられていないことが多いし、実現できそうなことも、きっとたくさんあるんだと感じました。
AIで描く、未来の佐鳴湖の景色 A future of Lake Sanaru, envisioned by AI.
最後に、「AIで描く、未来の佐鳴湖」と題した、少し趣向を変えた時間へ。
ここまでの対話の中で生まれた、「佐鳴湖がこんな場所だったらいいな」というイメージを、3人それぞれ思い思いにAIへのプロンプトとして入力していただき、映像化することにいたしました。
自由な発想で描かれた言葉が、どんな風景として現れるのか。現実の制約を離れたその試みは、佐鳴湖の新たな可能性を感じる時間となりました。
画面に現れたのは、どこか見慣れているようで、少しだけ未来を感じさせる、そんな佐鳴湖の風景でした。
はじめに、藤川さんが入力してくれたプロンプトは、「佐鳴湖にスワンボートが浮かび、周りに素敵な公園がたくさんできて、賑わいが生まれているイメージを図化してください。」
どこか懐かしさを感じる「スワンボート」というワードが印象的でしたが、時代を超えて愛されてきた湖上の乗り物がとても愛らしく、
佐鳴湖に楽しさと賑わいが広がっていくようなイメージに、一同自然と笑顔がこぼれました。
続いて、伊藤さんが入力してくれたプロンプトは、「浜松市の佐鳴湖に、ジップラインを掛けてアクティビティが充実し、若い人たちが沢山楽しんでいる様子を図化してください。」
プロンプトを続けて入力したことでスワンボートが残ってしまいましたが、まさに20代の女性が佐鳴湖でジップラインを楽しむ姿に未来の佐鳴湖の可能性を感じ、一同大いに盛り上がりました。
そして最後は二橋さんのプロンプト。「浜松市の佐鳴湖に、とてもおしゃれな水上レストランができて、デッキを渡って島にレストランがあり、賑わいのあるシーンを図化してください。」
3つのイメージに共通していたのは、どれも楽しそうな人で溢れる佐鳴湖の風景でした。
思い思いの時間を過ごし、自然の中でふと立ち止まり、誰かと笑い合う。
そんな何気ない瞬間の積み重ねが、
この場所の魅力をつくっていくのかもしれません。
今回描かれた風景は、まだ想像の中のもの。
けれど、その一つひとつには、
これからの佐鳴湖の可能性が、確かに映し出されていました。
佐鳴湖には、すでに「自然」という大きな魅力があります。けれど、それだけでは人はなかなか動きません。
この場所でどんな時間を過ごせるのか。どんな体験ができるのか。そんな“過ごし方”の提案が、これからはより大切になっていきます。小さな魅力が少しずつ重なっていくことで、佐鳴湖周辺は、ただ立ち寄るだけの場所ではなく、誰かにとっての“目的地”へと変わっていくはずです。
そして、佐鳴湖をはじめとする浜松のスポットがさらに魅力を増していくことで、市民はもちろん、街の外からも人が訪れるような、そんな浜松の姿が見えてくるのかもしれません。
地域の暮らしをつくる不動産、住まいを形にする建築、そして日常を支える医療・介護。それぞれの視点が重なり合った今回の対談は、“佐鳴湖の未来”を考えるひとつのヒントになりました。
まだ気づかれていない魅力や、これから生まれる余白。
佐鳴湖には、そんな可能性が、静かに広がっています。
- PROFILE
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