怖がらず、1分1秒でも早く!
AEDのリアルと使い方のポイント

命を救う医療機器を届け続けて17年。
その経験からAEDについて解説します。 We have been delivering life-saving medical equipment for 17 years. We will explain AEDs based on that experience.
マストレメディカルに中途入社して17年目になります。
もともとは食品関係の職場に勤務しており、年末年始の繁忙期などは過酷な労働環境でした。
そんな中、将来を見据えて「安定した業界で働きたい」という思いから医療業界に転職しました。
もちろん当初はまったく知識がなく、ゼロからのスタートでしたが、ちょうどその頃、AED(自動体外式除細動器)の需要が急速に高まり始めたタイミングでした。
2000年代初頭、サッカーW杯やオリンピックをきっかけに「公共の場にAEDを」という流れが全国的に広がり、官公庁や学校、企業などからの問い合わせが急増していたのです。
当時はAEDの耐用年数が5~6年程度だったため、入れ替え需要も重なり、営業としてはまさに“ブルーオーシャン”の市場でした。
つまり、AED営業を通じて、医療業界での知識や経験を培い、医療機器や医療用具に関する基礎を身につけていったわけです。
今回は、まだまだ知ってるようで知らない「AEDの基礎知識」と「適切な活用方法」についてお伝えします。
AEDとは?
心停止の状態とは? What is an AED? What is cardiac arrest?
AEDは「Automated External Defibrillator(自動体外式除細動器)」の略で、心停止状態(心臓が正常に血液を送り出せない状態)の方に電気ショックを与える機器です。
電気ショックを与えることで、心臓に正常なリズムを取り戻すことを目的としています。
2004年7月から一般の方でも使用できるようになり、駅や学校、空港、スポーツ施設など人が集まる場所を中心に設置が進みました。
現在では全国で60万台以上が設置されています。
では、AEDが必要となる【心停止】とは、どのような状態でしょうか?
心停止とは、その名の通り「心臓の機能が停止してしまった状態」を指します。
何の前触れもなく誰にでも起こり得る危険な状態で、数秒で意識が失われ、その場に倒れ込み、呼吸も止まってしまいます。
大声で呼びかけたり、体を大きく揺さぶっても反応がないのが特徴です。
心停止の疑いがある場合、何より大事なのは「1分1秒でも早くAEDを使うこと」です。
処置が遅れると1分ごとに生存率は7~10%低下し、10分経過すれば、助かる可能性は限りなくゼロに近づきます。
AEDの使い方 How to use an AED
倒れている人(心停止の疑いのある人)を見かけた場合の一般的な処置の流れは次の通りです。
1.肩をやさしくたたきながら大声で呼びかける
2.反応がなければ119番通報。同時に周囲の人に応援を求め、AEDの搬送を依頼
3.呼吸を確認し、普段通りでなければ胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始
4.AEDが到着したら音声ガイダンスに従って、電極パッドを胸に貼る
5.電気ショックの必要性はAEDが自動で判断。指示が出たらショックボタンを押す
6.電気ショックが完了したら、胸骨圧迫を再開。救急隊が到着まで繰り返す
AEDを使う時のポイントは「怖がらずに」ということです。
AEDは必要がなければ作動しない仕組みになっていますので、少しでも心停止の疑いがあれば、積極的に使用してください。
また、操作はすべて音声で案内されますので、未経験の人でも安心して使用できます。
胸骨圧迫(心臓マッサージ)については、成人の場合、両手で胸の真ん中あたりを強く圧迫し、
100~120回/分のペースで行いましょう。
※画像引用:フクダ電子ホームページ
最新機種と選び方 The latest models and how to choose them
現在、AEDは日本光電、フクダ電子、日本ストライカー、旭化成ZOLLなど、国内外の複数のメーカーから販売されています。
価格帯はおおよそ10~30万円/1台です。
一般販売やレンタルもできますし、企業や団体などが福利厚生の一環として購入を検討するケースも少なくありません。
機器自体もどんどん進化しており、耐用年数が長くなったり、小児用の切り替えがワンタッチで可能になったり、多少パッドの位置がずれても作動できるなど、より使いやすくなっています。
また、インターネットで[AEDマップ]などと検索すれば、お住まいの地域のAED設置箇所がわかるサイトがありますので、ぜひ一度、確認してみてください。
これからも「命をつなぐための仕事」を・・・ We will continue to do "work to connect lives"
以上、簡単ではありますが、私の得意分野のひとつであるAEDについてご説明いたしました。
AED営業は、単なる「機器の販売」ではなく、人の命をつなぐための手助けとなる仕事です。
その一方で、各メーカー製品に大きな性能差はなく、取り扱うディーラーもどんどん増えているため、最終的には「誰にお願いするか?」が勝負になります。
これからも、持ち前のハートの強さとマストレメディカルの知名度の高さ・実績を活かし、1台でも多くのAEDを現場に届けられるよう努力を続けていきたいと思います。
AEDに関することや、購入、使い方のご相談がありましたら、ぜひお気軽にお声掛けください!
- PROFILE
- 医療機器情報コミュニケータ(MDIC) 子どもが4人いるため、家庭も仕事も毎日がバタバタと過ぎていきます。 趣味は「お城巡り」。 もう少し子どもが大きくなったら、一緒に出かけたいです。
