2025 August
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~酸素飽和度は、体温、血圧と並ぶ健康状態のバロメーター~
詳しいことはわからなくても「パルスオキシメータ」という言葉自体は、「あれ? どこかで耳にしたことがある」という方が多いのではないでしょうか? そう、パルスオキシメータは、先のコロナ禍で一気に認知度が広まった医療機器のこと。「自宅で簡単に酸素量が測れる」ことで、コロナ感染拡大の最中にメディアで頻繁に取り上げられ、希望者には行政機関からのレンタルも行われていました。そんな一世を風靡したパルスオキシメータですが、その本当の役割や使い方がまだあまり知られていないことも事実です。そこで今回は、パルスオキシメータの仕組みや特徴、日常での活用方法をわかりやすく解説していきたいと思います。指先で測るだけで、あなたの健康のバロメーター「酸素飽和度(SpO2)」がわかる秘密とは? さっそく見ていきましょう!
まずは基本情報から説明します。
パルスオキシメータとは、血液中に含まれる「酸素飽和度(SpO2)」(簡単に言うと『酸素の量』)を測定する機器のことです。別の言い方をすると「血液の酸素供給が正常に行われているかどうか?」がリアルタイムでわかる機器とも言えます。測定方法はとても簡単で、専用の装置を指先に挟むだけ。面倒な採血や痛みなどは一切なく、すぐに血液の酸素供給の状態を知ることができます。仕組みもシンプルで、装置内部から発せられる「赤色光」と「赤外光」の光が指先を通過し、その透過具合を検知することで、血液中の酸素量を算出していきます。
★パルスオキシメータの主な特徴:
・非侵襲的(痛みなし):指先に挟むだけで測定完了
・リアルタイム測定:その場で瞬時に結果がわかる
・手軽な操作:誰でも簡単に使えるシンプルな設計
このような手軽さから、コロナ禍においては、主に自宅療養の方の酸素供給量を把握するツールとして広く浸透していったようです。
また、高地トレーニングやスポーツ、旅行(特に飛行機の移動などで気圧の変化が著しい状況)などで、酸素量を把握する目的でパルスオキシメータが活用されるケースもあります。
家庭用の価格としては1台2万円ほどが主流で、マストレメディカルでも各種メーカーのパルスオキシメータを取り扱っています。
もう少し詳しく「酸素飽和度(SpO2)」について説明していきます。
酸素飽和度(SpO2)とは、血液中のヘモグロビンがどれくらい酸素と結合しているかを示す数値です。肺から取り込まれた酸素は、血液に乗って全身の臓器へと運ばれます。
この酸素の運搬具合を知ることで、私たちの身体の健康状態がわかるのです。
パルスオキシメータの測定数値はパーセンテージで表示されますが、これが酸素飽和度(SpO2)を表しています。
正常値は96~99%で、93%を下回ると要注意とされ、 90%を下回ると十分な酸素が供給されていない「呼吸不全」の状態が疑われます。
心臓や肺の機能に異常があったり、慢性的な息苦しさや体調不良を感じたりするような場合は、酸素飽和度が低下していることが考えられます。
特に、測定数値が大きく変化した場合は注意が必要です。
例えば、普段の数値が98%の人が急に93%まで下がった場合、心臓や呼吸器の機能に何かしらの異変があるサインかもしれません。
日ごろから自分の平均値を把握し、変動を見逃さないことが健康管理の第一歩となります。
また、パルスオキシメータは医療機器に分類されていますので、測定結果の判断は自分で行わず、必ずかかりつけ医などを受診し、専門家に判断してもらうことが大切になります。
続いて、パルスオキシメータの正しい使い方について解説していきます。
★使い方のポイント
1.指先に装着する:基本は人差し指。赤ちゃんや特殊な状況では耳や足の指でも測定可能です。
2.安静にして測定:測定開始後は、脈拍が安定する20~30秒後の数値を確認しましょう。
3.落とさない・衝撃を与えない:精密機器なので、落下の衝撃などで精度が落ちることがありますので取り扱いは慎重に
4.数値だけに頼らない:息苦しさや体調不良を感じたら、数値が正常でもできるだけ早く医療機関を受診しましょう
簡単に測定できる機器だからこそ、しっかりとした使い方をしていくことが重要です。また、「朝と晩一回ずつ」、「毎日○時と○時
に」といったように、毎日測るタイミングを合わせることで、より正確な自分の平均値を把握しやすくなります。
意外と知られていませんが、実はパルスオキシメータは日本で発明された医療機器なんです。
1974年に青柳卓雄氏(日本光電)が開発し、1977年にはミノルタカメラ(現コニカミノルタ)が世界で初めて「指先型」の商品化に成功しました。
その後、アメリカでの販売をきっかけに改良が進み、今では世界中の医療現場で欠かせない存在となっています。
現在では、パルスオキシメータは医療現場での使用が中心となっていますが、今後は、技術の進化とともに私たちの生活にも深く浸透していくかもしれません。
例えば、スマートウォッチやウェアラブルデバイスへの搭載が進めば、日常的に酸素飽和度をチェックできる未来も遠くはありません。
パルスオキシメータは、指先ひとつで酸素飽和度を測れるとても便利な医療機器です。
日ごろから自分の平均値を把握し、変化に気づくことで、体調の異変に早めに対処できるようになります。
ただし、繰り返しになりますが、表示された数値だけで自己判断せず、気になることがあればすぐに医療機関へ相談することをお忘れなく!
正しく使い、賢く健康を守るための一歩として、パルスオキシメータを“上手に活用していく”ことが何よりも重要です。