介護と障がい者サポートのプロが語る、地域を支える現場の仕事

勤続37年。介護の現場で感じ取ったこと 37 years of experience in the nursing field.
介護事業部に在籍すること37年。
会社立ち上げ当初から介護の現場に携わり、現在は嘱託社員として、主に障がいのある方への介護・福祉用具の納品や販売、レンタルを担当しています。
「介護の仕事には、人の数だけ物語がある」。これが、私が長年、現場で感じ取ってきたことです。
利用者さんの生活環境や身体の状態、ご家族の事情は一人ひとり異なりますので、その“違い”に丁寧に向き合い、辛抱強く寄り添っていくことが何より大切であり、介護事業部の使命だと考えています。
また、介護保険を使ったサービスは高齢者向けのみならず、障がいを持つお子さんや成人の方の生活支援にも関係していきますので、利用者さんの年齢や障がいの有無を問わず、“暮らしに必要な環境を整える”ことが、この仕事の本質だと思っています。
一人ひとりの生活とリアルに寄り添う Being close to the reality of each individual's life
前述した通り、私は主に、障がいのある方のサポートを担当しています。
基本的にはご本人と直接会話するのが難しいケースがほとんどなので、お母さんなどのご家族との話し合いが中心です。
まずは、ご自宅にお邪魔させていただき、家の中を実際に歩きながら、段差や動線、転倒リスクなどを確認していきます。
そして必要に応じて、リフトやベッド、手すり、踏み台などの用具の導入を提案していきます。
手すりや踏み台といった一見シンプルな用具でも、利用者さんの身体の硬直具合や姿勢、体型に合わせて、微妙な調整が必要になることも少なくありません。
そういった細かな部分も意識しながら、最適なアイテムを見つけ出していくことが大切です。
また、障がいの分野ではレンタルできない用具が多く、特に、装具類などは衛生面の理由から購入が基本となります。
そのため「ご家族の費用負担をいかに抑えられるか?」「助成制度の範囲でどこまでサポートできるか?」をしっかり考えることも重要となります。
加えて、介護・福祉用具の導入にあたって医師の意見書が必要となる場合がありますので、その時は、かかりつけ医の先生にお願いをしたり、申請の段取りを整えたりもしています。時間も手間もかかりますが、単に用具の提案・提供をするのではなく、必要書類や制度についてもしっかり理解していないと、なかなか務まらない仕事です。
口コミで広がる信頼関係 Trust spreads through word of mouth
ご依頼は、障がい者施設や総合病院の相談室からが多いですね。これも長年の経験が役に立っているのですが、地域の医療・福祉機関の担当者とはだいたい顔見知りですし、連携体制もしっかり構築されています。
また、障がい者やそのご家族のコミュニティというのはかなり密接ですので、一度つながってしまえば、そこから紹介されることも多いんですよね。
「マストレメディカルさんが力になってくれるよ」「介護事業部の平岡さんに相談すると良いよ」なんて声が、知らず知らずのうちに広がっていきます。
すごくありがたいですよね。だからこそ、そういった紹介経由での相談には、より真摯で丁寧な姿勢を心がけ、新たな信頼を得られるよう努力しています。
実は、私自身、若い頃から障がいのある方と関わる機会が多く、脳性小児まひの方の送迎ボランティアや自閉症サークルの活動などを行ってきました。
そういった経験も今の仕事につながっています。
「声が聞きたくて」と連絡がくることも Sometimes they contact me saying, "I want to hear your voice."
浜松市はまだまだ障がい者施設が少なく、どうしても在宅介護者への負担が大きいエリアです。
この仕事を通じて、より多くの方に、最適で、無理なく導入できる介護・福祉用具の存在を知っていただき、「ツラい思いをしなくても大丈夫」ということを実感していただきたいですね。
その先に、これは介護の仕事のやりがいになりますが、お客様からの感謝の言葉をいただくことができます。
提案したリフトやベッドを導入したことで介護者の負担が減り、「本当に助かっています」と喜んでもらえると、とてもうれしく感じますし、寝たきりで会話の難しい利用者さんからはメールや電話がくることもあります。
特に用事もないのに「平岡さんの声が聞きたくて」といった連絡も多いのですが(笑)、それはそれで毎回ホッコリした気持ちにさせられます。
「相談すれば、何とかしてくれる」を増やしていきたい I want to increase the number of cases where people feel that if they ask for help, they will do something about it.
結局、「人の役に立ちたい」という気持ちが強いんでしょうね。だから、介護の仕事にずっと関わってこられたんだと思います。
気づくと、私自身が後期高齢者に近づいてきていますが(笑)、気持ちと意欲はまだ若いまま!
プライベートでは畑仕事に精を出したり、地域の子どもたちにバドミントンを教えたりもしていますので、身体的にも元気いっぱいです!
あと何年続けられるかは未知数ですが、できる範囲で、これからも障がいで困っているご家族を支えていけたらと思います。
「マストレメディカルに相談すれば、何とかしてくれる」と思ってもらえる方をもっともっと増やしていきたいですね。
同時に、次の世代に向けての指導にも力を入れて、私がこれまで培ってきた経験やスキルをしっかりと伝えていけたらと思っています。
- PROFILE
- 趣味は、バドミントンとボウリング。 特にバドミントンは、毎週、地域の子どもたちにレッスンを行うほど、私のライフワークとなっています(15年ほど続けています)。
